あいつ、ジャニヲタやめないってよ。

やめられないし、やめる気がない。

人間の住む国で、見たいな、素敵なダンス

2020年1月7日。あの日が形になったのを見た後、とんでもない虚無感に襲われた。あの日思い出に区切りをつけて進んでいった彼らと、あの日泣いて泣いてなきじゃくって、それをピークに燃え尽きて細かい灰が落ち始めている自分の大きな差に気が付いてしまった。

 

あの日、円陣を組んだ瞬間が6人でずっと一緒にいると誓った瞬間だと自担は言う。本当に幸せなことだ。だってそれが叶えたくて私は何年間か彼らを応援していたんだから。でも永遠を保証された瞬間に、人間は、儚さを抱きしめるように生きてきた頃とは同じではいられないんだなあ、と知った。

 

「リトルマーメイド」のアリエルは足も、声も、エリックと幸せに暮らすこともすべて手に入れた。誰もが望むハッピーエンド。でも十数年ともにしてきたヒレには別れを告げたわけだ。そしておそらくアリエルだって「海を出て人間の世界で暮らしたい」と熱望していた頃の気持ちをどこか忘れて、なんの違和感もなくあの日渇望した「足」で「道」を歩いているのかなあ、なんて。そしてあろうことか私は今きっと幸せに生きているであろうアリエルに向かって「海の中での生活が恋しくないの?ヒレで泳ぎたくないの?」と問うているようなものだ。

 

「ジャニーズJr.のままでいてくれたら」

 

絶対にそんなこと、言いたくなかったのに。舌根のあたりまで出かかるときがある。彼らは何も変わらない。彼らは何も悪くない。ただ私が楽しかったあの頃を、「放課後のロッカー上の男女」なんて誰かが例えた日々を、忘れられないだけだ。

 

北斗くんが好きだ。好きになったあの日から、一回も嫌いだと思ったことがない。そんなアイドル私は知らない。デビューしてからだって好きなところはひとつも変わらない。それどころかどんどん歌もうまくなるし、たくさんのいろんな雑誌に載っているのにひとつとして同じ表情をしていなくて、この人はやっぱり憑依型なんだろうか?なんて思いながら、女性誌の思うツボだなあなんて呆れ笑いしながら、きゅんとしてしまう。

 

でも、その進化は自分の知らないところで起こっていく。こいつ何言ってんだって思われるだろうし私も思う。でも春夏秋冬現場があって、好きが可視化されていた時代を思い出しては、今どこに向かって何を応援しているのかわからなくなるときがある。年に何十回も現場で感じていた、とにかく楽しくて熱っぽい、でもどこか不安定な日々を思い返しては、自分の目で確かめられない何かがある程度バランスよく勝手に進んでいくのを眺めている感覚に陥る。どこまでも遠くへ行ってくれと願って応援していたのは私なのに。人間って本当に我儘だ。

 

聞いたところによると、グリム童話のアリエルは、王子と結ばれることなく泡になって消えちゃうらしい。本当に過去にすがりついてどうしようもなくなったら、ちゃんと私が彼らのことを忘れて、思い出を全部泡にして適当に社会を生きて行こうと思うけど、まだ泡にする勇気まではない。結局、好きなんだわ。もっと売れてほしいんだわ。でもオリジナル曲を早く音源化してくれ。ああ、人間って本当に我儘だ。