あいつ、ジャニヲタやめないってよ。

やめられないし、やめる気がない。

君のイヤモニの柄を見るまでは

その日、わたしは終電を逃した。

仕事以外で終電を逃したことはなかったんだ、お金勿体無いし。酔うとすぐ楽しくなってタクシー帰りする大人たちを眺めては、そこらへんも含めて自己管理できる大人にならねばと常々思っていた。でも、その日はポリシーに反してタクシー代を払う背徳感も「その日」の特別をさらに特別にした感じがして高揚した。挙句タクシーの運転手さんに「こんな時間だけど眠くないの?元気だね」と言われるくらいには目に見えて幸せだったらしい。

 


2019年8月8日。

5万5千人の喜怒哀楽が一瞬で渦巻いた日。

いろんな感情があって当たり前で、やっぱり何とかならないのかよこのやり方はとも思って、輝くダイヤモンドスマイルも、あまりにも神々しい夢のハリウッドも忘れられない。でもそれについて綴る権利は私にはないから、自分の夢が叶ったことだけを主軸に、どうしてもあの日のあの感情を残しておきたいというわたしの願望を叶えるだけのために、自己中な文章を書きます。

 


SixTONES、CDデビューおめでとう。

東京ドームで発表されるまでの数十秒間、私は友達の手を握りつぶしそうな勢いで握り続けた。2グループ同時デビューなんぞ想像もしていなかったから、ひとりひとりの顔がカメラに抜かれ始めたとき、15人の中から抜かれた人だけがデビューできるんじゃないかなんて思ったりして本当に一回心臓が口から出た。そして発表された瞬間、彼女の膝の上で泣き崩れた。

その時いちばんに思ったことは「もういいんだ。」だった。もう6人がバラバラになることに怯えなくてもいい。もうSixTONESがなくなってしまうのではないかと考えなくてもいい。ただただ、未来を楽しみに思うだけでいい。今思えばあれは安堵の涙だったのかもしれない。

 

私が出会ってから今日までたった2年半。なのにそうとは思えないほど濃くて忘れられない風景や、忘れたくない感情があまりにも多くて、その全てを抱きしめるように過ごした2年半。

荷物をゴミ袋につめて直置きされたけど、楽しい満員電車だね、なんて笑いあった湾岸ライブも。

デビューって何だろう?と衝撃のあまり眠れなかった初単独横アリも。

頑張ってればなんとかなるってと困ったように笑っていた顔が忘れられないサマパラのオーラスも。

品川駅で大きすぎる看板の前に立ち尽くしたことも。

ビリビリするほど本人たちの緊張が伝わってきて、隣の見知らぬ女の子と一緒に大声で歌いながらペンライトを直角に振りかざして応援したYoutube Fan Festも。

「北斗、お前俺らといるの楽しいんだろ?」と樹に言われて照れたごまかし笑いをしていた北斗くんが見られたCHANGE THE ERA-20ix-も。

他にもたくさんたくさんあるけど、いっぺんに押し寄せた記憶の最後に浮かんだのは、2017年のEXシアターで見たAmazing!!!!!!だった。あの日、小さなステージセットの真ん中にぎゅうぎゅうに収まって捌けて行った彼らは2年後、東京ドームのセンターステージにいた。ああそうだった、あの日わたしがどこまでもついていこうと決意したのはこの風景が見たいからなんだった。絶対ここに来られると信じたかったからだった。ついにここに来たんだ。そう思ったらまたウソみたいに涙が止まらなくなって、よくアニバーサリー系のコンサートDVDに映っている「グループ名の書いたタオルを握りしめて肩を震わせている子」になってしまった。いや、そんなに綺麗なもんではなかったかもしれないけどその時ばかりは石原さとみになったつもりで泣いた。涙でAmazing!!!!!!を見られなかったことは初めてだった。

 

でもちょっと寂しかった。ジュニア担という世間からのやや冷ややかな視線を物ともせずただひたすら成功だけを願って駆け抜けた、ある種文化祭のような熱を持った日々が終わる。「遠くなって寂しい」という人に向かって「そもそも近くねえよ(笑)」という人がいるけどそんな物理的な話をしてるんじゃなくて、世間からしらな~~~い(笑)と言われても愛し続けた自分たちの宝物が、何十倍もの数の人の宝物になっていくのはそりゃ寂しいだろうな。もしかしたら私も来年オリンピックの人混みにのまれながらそんなことを思っているかもしれない。人はいつだってないものねだりだなと思った。

 

時系列がおかしい?悪いけどそれは私が彼らを初めて見た日に思ったことだよ。まだデビューしてないなんてあまりにも世の中の時系列がおかしい、と。パクらないでくれよな。そもそも本当はこうだったかもしれないのに・・・と考えることはジャニーズを考える上で最も無意味だと私は思う。だってSexyZoneには京本大我がいたかもしれない。松村北斗は俳優になっていたかもしれない。SixTONESはRAINBOWSになっていたかもしれない(笑)。他にもきっと私たちの知らないIFがたくさんある。たらればを並べたところで、その先にある結論はSixTONESがデビューするという最高の事実だけだ。それから2グループ競わされて優劣つけられたらどうしよう、なんて悩むのはそのときになったからでいい。生まれる前から自分の子供がいじめられたらどうしようと悩んでもなんの解決にもならないでしょ、まだ生んでもないんだから。そんなことより「これからどうなっていくんだろうね」という言葉の持つ意味あいが大きく変わったことを噛みしめて毎日楽しく過ごしたい。

 

 

やっぱり夏は嫌いだ。暑いし、べたべたするし、海もプールも好きじゃない。それでも夏を嫌いになれなくなってしまったのも、夢や奇跡をどこかで信じてしまうようになってしまったのも、2019年8月8日のせいだ。アイドルグループに永遠はない。それを知ってもなおまた永遠を願い始めてしまった愚かで最高に幸せな、夏の日の話。

 

 

デビュー組のコンサートに行くといつも考えてた。

北斗くんはオリジナルのイヤモニを作れるようになったら、どんな柄にするんだろう。

だから君のイヤモニの柄を確かめるまでは、私は君のファンをやめられない。

あれ、でもちょっと先輩になったらイヤモニってツアーのたびに変わるんだっけ。

そしたら私はいつまで君のイヤモニの柄を確かめてしまうんだろうか。

そんな贅沢でどうでもよいことを考える夏も、悪くない。

 

 

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これからもくだらない話をして笑いながら最前線を目指すSixTONESに追い風が吹き続けますように。世界で一番、大好きです。